パンとスープと本とドラマと。それから映画も。 [読む]
いつもなら、いつもの駅前の本屋さんで本を買って、
書店くじなんてもらって気付いたものですが
悲しいことに今年の夏、最寄りの駅ふたつともから
本屋さんがなくなってしまいました。
ショックです。
私の好きなお店ベスト3 本屋 画材屋(文房具屋) カフェ
愛する散歩コースのひとつが欠けてしまうなんて。
仕事帰り、電車を降りて食材の買い物の前に新刊をチェックして
ちょっとカフェでひと休みしつつ読む、至福のひとときの!
128段を登る前の、エネルギーチャージの場が!!
今の家とその前の家に越して来てから20年以上もの間、
あたりまえのように、週に何度も足を運んだ本屋さんでした。
寂しすぎます・・
ネットで本は買えます。便利な電子書籍もあります。
が、本屋さんで実際手に取ってみたい、選びたいのです。紙が好きなのです。
装丁を見て手に取る、POPを読んでぱらぱらめくる楽しさが・・出会いが。
今や途中下車して 大きな本屋さんに寄るか、
どこかへ出かける際に足を延ばすしかなくなってしまいました。
ああああ。寂しい。
そんなことを思いつつ、しばらく書いていなかった本のことなど。
寒くなってきたので、美味しそうな本を。
今年の夏WOWWOWでドラマ化された、群ようこさんの
『パンとスープとネコ日和』ハルキ文庫
長年勤めた出版社を辞め、亡き母のやっていた食堂を改装して
サンドイッチとスープのお店を開いたアキコさんとご近所さんと
ある日やってきた猫のたろの日々。
ドラマは「かもめ食堂」と同じく小林聡美さん主演で
今回は、本の方を先に読んでいたので
ドラマのほうは群さんの原作をずっとまろやかに仕上げたな
と思いました。
サンドイッチとスープ、とっても美味しそうでしたが。
私は群さんのちょっとしょっぱい味付けがなくなっていて物足りない
気がしないでもないのと、悲しいのがなくてそれはそれでもいいかな
との思いが半々。
あと、あの踊りは必要だったんだろうか・・ 今回。
サンドイッチとスープ、で思い出すもう一冊。
『それからはスープのことばかり考えて暮らした』
吉田篤弘 暮らしの手帳社
月船町に引っ越して来た 失業中の「僕」オーリィ君
大屋さんという名前の大家さん、
大人びた少年リツ君と、その父親がやっているサンドイッチ店「トロワ」。
そして町にひっそりとある「月船シネマ」を舞台にした、ちょっと懐かしく
ちょっとしゃれた感じのものがたり。
ていねいにつくられたサンドイッチの入った紙袋を持って、
古い映画を見に行きたくなります。
月船町というところは なんだかちょっとノスタルジックで魅力的なのですが
作者が少年期を過ごした町をモデルにしているのだそう。
ほかに、この町を舞台とした『つむじかぜ食堂の夜』筑摩書房 と
連載中で、今後出版される『レインコートを着た犬』とで
月船三部作、となるのだとか。
最近出た、リツ君が主人公の『つむじかぜ食堂と僕』ちくまプリマー新書
はそのスピンオフ、番外編なのだそうです。
杉田比呂美さんの挿絵がぴったりでしたよ。
それから、先日TVで見た映画がとても良かったので・・
『しあわせのパン』
出演: 大泉洋 原田知世 余貴美子
洞爺湖の湖畔に移住し、泊まれるパン屋さんカフェを営む夫婦のもとに訪れる、
夏、秋、冬のお客たちと 地元の人びととの交流が描かれます。
微笑ましかったり、切なかったり。
絵本のような景色と ずっしり黄金色の、しっかり噛み締めたい竃焼きパンと
みずみずしい摘みたての野菜。
あんなふうにていねいに生活したいなぁ、なんて思ったり。
ところで、ラストで流れる矢野顕子さんの「ひとつだけ」が、忌野清志郎さんと
歌ったものだったのに気付いてじーんとしました。
秋のシーンで、あがた森男さんの弾くアコーディオンもよかった。
そういえば、秋のお客の父親役の光石研さんは
「パンとスープと猫日和」では ウクレレを弾く花屋さんでしたよ。
どのおみせも、ホントにあったら入りびたりたいな♡
by のらん (2013-11-09 15:45)