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短編の愉しみ [読む]

 じっくり読む長い作品も良いけれど、
面白い作品が宝物のように詰まった短編集も大好きです。

デビュー作からファンの、
川上弘美さんの「パスタマシーンの幽霊」 マガジンハウス

 雑誌「クウネル」に連載されたものをまとめた第2集。
「センセイの鞄」以来、恋愛ものも多くなりましたが、
私は初期の作風に近い一作目の「海石」のような味わいの話が好き。

表題作の「パスタマシーンの幽霊」は
料理が下手な主人公の彼氏の、料理自慢のおばあちゃんの幽霊なんですが、
彼のもとに何度も現れて料理をしていたおばあちゃんが、
彼氏と別れたあと、こんどは彼女の家に現れて料理を教えてくれるという・・
 ふと、SECOMのCMに出てくる
キムタクのおじいちゃんを思い浮かべてしまいましたが、
どちらも いいなぁ、と。 
こんな陽気で世話焼きの幽霊なら怖くないし。むしろ出てほしい?

 もうひとつ、コロボックルの山口さん(男・42歳)のでてくるお話。
人間の誠子さん(32歳)からみた話と、もうひとりの人間の瀬戸島さん
(子供は独立、夫の死後一人暮らし)からみた話。面白い。
この続き、読んでみたいです。

・・ちょっと前、芸能人さんや漫画家さんが ちいさいおじさん、の話を
よくしていましたよね。 あれってどうなんでしょう。
お風呂とか、冷蔵庫のなかとかに・・ジャージや背広姿の、ちっさいおじさんがいるって。
なぜ、おじさん? おじょうさんだと危ないからかな?

 できれば ちゃんと会話も出来る山口さんのような小さい人ならば
ぜひ出会ってみたいと思うのですが。

IMG_7160.JPG 
 
「雪屋のロッスさん」 いしいしんじ 新潮文庫

いしいしんじさんの作品に出会ったのは最近で、「ぶらんこ乗り」
「トリツカレ男」についで3作目。 これ、おすすめです。

「雪屋のロッスさん」は いろんな職業の、いろんなひと?のお話。
タクシーの運転手、調律師、大泥棒、棺桶セールスマン、道路・・
いろいろな味わいの話が30編。 
ぼんやり読んでいると穴に落っこちます。

しんみりしたり、感心したりしていると 突然
「巡査になって五年目の石田さんは顔が鳥です」とはじまる。
は?似ている、じゃなくて? と思っていると 
研修にやってきた新人の顔は「ぶち猫」にそっくり・・!!
何だこれは(笑)

コックの宮川さん、ポリバケツの青木さんや 神主の白木さん、大工さん・・
どうしてこんな話を思いつくんだろう!
雨乞いの「かぎ」 見張り番のミトゥ などつらい話もあるけれど
どれも 心にじんわり沁みてきます。

島田さんの病気は治るかな。 私も島田夫妻のお風呂に入りたい。
栗のマッサージ、受けたいな。
あちこち痛い私の、 正直な願い・・




 

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