水を感じる本 [読む]
「蟲師」の漆原友紀さんの新刊、『水域』上下巻が出ました。
初回だけ連載誌上で読んでいたので 続きを一気に読めるのは嬉しい。
ダムに沈んだ村に住んでいた家族の、封じ込めた哀しい記憶。
真夏の暑さの中、めまいを感じながら冷たい水に触れる感触。
夢を見ているのは誰なのか・・時間が交錯していく。
漆原さんの絵には、いつも水分がたくさん含まれていて
この本でも たぷたぷとあふれてくる水に沈んでしまえそうでぶるっとします。
小学生の頃、遠足だか見学だかで ダムへ行ったことがありました。
崖のようなところに、最後までダム建設に反対した人のいた場所が残っていて、
このダムの下には、人が住んでいた村がまるごと沈んでいると知ったとき、
とても怖いような悲しいような気持ちになったことを思い出しました。
今でも、流れていない深い水は少し苦手。
川を見ているのはとても好き。
川のそばに住みたいな、と今でも思っているのです。
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